2ストロークエンジンの仕組み

2ストロークエンジンの特徴

バイクの2ストロークエンジンと言えば、「かつては主流、しかし現在では絶滅危惧種」とも言うべき位置づけにあるエンジンです。
じつは現在、国内のバイク業界では現在2ストロークエンジンはされていません。
ここには、2000年以降急速に進んでいる自動車・バイク業界における環境問題への取り組みが大きく影響しています。

2ストロークエンジンとは、エンジンが動作する過程の「吸気/圧縮」と「燃焼/排気/掃気」の2工程を、ピストン1往復で行うタイプのことです。
それに対して現在主流となっている4ストロークエンジンは、「吸気」「圧縮」「燃焼」「排気」の4工程をピストン2往復で行う仕組みになっています。
簡単に言えば、2ストロークの方が「工程をまとめて行う」仕組みになっているわけです。

2ストロークエンジンのメリット

この仕組みの特徴によって、軽量で非常に優れたトルクを得られます。
単純に考えて、4ストロークエンジンが2回転に1回、燃焼によるトルクが発生するのに対して2ストロークエンジンは1回転に1回トルクが発生することになりますから、2倍の高トルク特性を持ち合わせていることになるのです。
また、この仕組みの特徴によって動弁機構を持たない構造となるため、全体の構造がシンプルになり、軽量・コンパクトが可能になります。
そして部品が少なく構造がシンプルなら当然コストも少なくなり、安く製造することも可能です。

こうしたメリットから、一時期は2ストロークバイクが多数生産され、とくに小排気量のバイクの多くがこのエンジンを採用していました。
日本のバイク市場が拡大を開始していく60年代には、ホンダ以外のバイクメーカーのほとんどが2ストロークエンジンを採用していたと言われるほどです。

2ストロークエンジンのデメリット

これだけメリットを備えているにも関わらず、どうして市場から消えてしまったのでしょうか?
それは冒頭でも挙げたように、環境問題への取り組みに対して致命的なほど問題点を抱えていたからです。
2ストロークエンジンの場合、燃焼する途中で排気がはじまってしまう構造になっているため、ピストンやシリンダーをスムーズに機能させるためにガソリンにオイルを混ぜる必要があります。
その結果、排気ガス中に一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)が多く含まれてしまうのです。

環境問題への取り組みから、バイク・車業界では繰り返し排気ガス規制が行われるようになり、2ストロークエンジンがその規制に対応できないケースが続出しました。
しかも燃費性能においても4ストロークエンジンに一歩劣る面があり、「時代にそぐわないエンジン」との評価が定着してしまったのです。
そもそも排気ガス規制をクリアできなければ生産できないわけで、2ストロークエンジンは時代の流れにうまく適応できない形で市場から退場しつつある状況となっているわけです。