無骨なミリタリー感を漂わせるアーミースタイル

傷や汚れさえも魅力に変わる無骨なアーミースタイルの世界観

バイクカスタムのジャンルにおいて、時代や流行に左右されず根強い人気を誇るのが、軍用車のような無骨さを前面に押し出した「アーミースタイル」です。

このスタイルの最大の魅力は、ピカピカに磨き上げられたショーモデルのような美しさとは対極にある、実用主義から生まれた圧倒的な機能美にあります。
ネイキッドバイクやアメリカン、オフロードバイク、さらにはスクーターにいたるまで、あらゆる車種に適用できる高い包容力が大きな特徴の一つです。

洗練された都会的なデザインをあえて排除し、過酷な環境に耐えうる道具としてのタフさを強調することで、マシンとしての存在感が格段に跳ね上がります。

さらに、一般的なカスタムバイクであれば神経質になりがちな立ちゴケによる小傷や、走行中に付着する泥汚れ、あるいは経年変化による金属のサビさえも、アーミースタイルにおいては「過酷な任務を生き抜いてきた証」のような渋い味へと昇華するのが面白いところです。

キャンプツーリングや林道走行といったアウトドアのロケーションとの相性は抜群で、大自然の中に溶け込むその佇まいは、多くのライダーの冒険心を強く刺激します。

重厚感を演出するボディカラーの選択とDIY塗装を成功させるコツ

アーミースタイルを完成させる上で、最も視覚的な影響力を持つのが車体のカラーリングです。
ミリタリー感を決定づける定番のボディカラーとしては、軍用車両を象徴するオリーブドラブ(暗い緑褐色)を中心に、砂漠地帯をイメージさせるサンドベージュ、現代的な軍用機のようなマットグレー、全体をタフに引き締めるマットブラックなどが挙げられます。

これらの色に共通する鉄則は、光沢を完全に排除したつや消し(マット仕上げ)である点です。
光の反射を抑えた質感が、重厚感と本物感を演出します。

近年では、専用の缶スプレーを用いたDIY塗装だけでなく、あえて刷毛やローラーを使って塗る手法も人気を集めています。

刷毛塗りは表面に適度なムラや細かな凹凸が生まれ、それがかえって手作り感のあるミリタリー調の質感を強調してくれるのが魅力です。

DIY塗装を成功させる最大のコツは、丁寧な下地処理にあります。
パーツ表面をサンドペーパーで細かく削り塗料の密着性を高める足付けや、油分を完全に除去する脱脂の工程をどれだけ緻密に行うかで、耐久性と仕上がりが劇的に変わります。

さらに上級テクニックとして、茶色や黒の塗料をスポンジなどで薄く叩きつけるエイジング塗装を施してみましょう。
長年使い込まれたようなヴィンテージミリタリーの風合いを演出し、周囲の目を引く仕上がりになります。

車種を問わずミリタリー感を高めるバッグやアクセサリーの選び方

理想のカラーリングに塗装した後は、ディテールを補強するアクセサリーや実用的な外装パーツを盛り込んでいきましょう。

まず取り入れたいのが、積載性を向上させつつ雰囲気を一変させるバッグ類です。
米軍などで実際に使われている軍用のサドルバッグや、頑丈なキャンバス生地のサイドバッグを装着すると、一気に旅慣れた偵察用バイクの佇まいになります。

アメリカンやネイキッドであれば、金属製のアンモボックス(弾薬箱)をリヤキャリアやサイドに取り付けるカスタムが王道であり、高い防水性と堅牢性を兼ね備えた収納スペースとしても機能します。

足回りに関しては、オンロード主体のバイクであっても、あえてゴツゴツとしたブロックパターンのタイヤを履かせることで、足元から力強さを演出できます。

フロント周りには、夜間や悪天候時の視認性を高める頑丈なフォグランプを追加したり、ヘッドライトに石跳ねを防ぐストーンガードを装着したりするアレンジが効果的です。

アドベンチャーバイクやスクーターなら、フロントやリヤに強固なパイプキャリアを増設し、ミリタリー調のカーゴネットで荷物を固定するだけでも無骨さが跳ね上がりますよ。
まずは手軽なつや消しスプレーのカラー選びから始めてみませんか。